車両保険
車両保険って本当に必要?
車両保険って言うのは、要するに自分の車の損害を補償してもらえる保険なわけだよね。
だから、自分の車の保障はいらないという人は、特に無理して車両保険に入る必要も無いといえると思うよ。
自動車保険のいちばんの目的は、他人の生命やモノに対する損害賠償だからね。
実際、車両保険は補償される金額に比べて保険料が割高な傾向にあるため、車両保険には入っていないという人もけっこう多いんだ。
これは、人それぞれの価値観によって変わってくると思うし、ケースによっても変わってくると思う。
たとえば、15万円の激安で購入した車に車両保険を掛けておくよりも、事故にあってちょっと凹んだ程度であればそのまま乗るか、修理不能なら買い換えた方が安く上がるかもしれない。
でも、500万円で買った高級車で事故を起こした場合なんかは、修理代なども結構かかってしまい、補償がないとちょっとツライかもしれないね。
こういった場合は、車両保険に入っておいた方がいいかもしれない。
いづれにしても、どんなに最悪な事故でも損害は自分の払った自動車代だけなので、対人賠償保険とか対物賠償保険にくらべれば、重要度はそこまで高くはないかもしれないね。
車両保険に関しては、自分の車に掛ける愛情や車種、保険金額などを総合して加入する・加入しないを判断するといいと思うよ。
それでは、次のページではいよいよ実際に保険会社が扱っている保険商品を見ていこう!
車両保険を使うと保険料が上がる?
実は車両保険を使うと(5万でも30万でも金額に関わらず)、等級が3等級ダウンするため、翌年から保険料金が上がってしまうことが多いんだ。
そして元の等級に戻るのにも、また3年かかってしまう。
なので、5万円とか10万円ぐらいの修理代の場合、自腹で修理代を払った方が、保険を使って翌年から保険料が上がってしまうより、安く済んでしまう場合があるんだね。
そのため、最初から5万、10万程度の免責金額を設定しておいた方が、毎月支払う保険料も少なくなり、お得な場合が多いと思うよ。
ただし、全てのケースで保険料が上がるわけではなく、等級が上がっていた場合等は、たとえ3等級下がっても同じ等級のままということもあるんだ。
こういった場合は、車両保険を使っても翌年からの保険料も同じ額で据え置かれるよ。
また、等級が上がっていた場合はたとえ下がったとしても、増える保険料は少ないので、よく考えた上で保険を使う、使わないを決めるとよいと思うよ。
その他にも「等級プロテクト」等、保険を使っても保険料が変わらない特約に加入したりしていると、保険を使っても保険料は変わらないよ。
車両保険の免責金額とは?
車両保険の保険料を左右するものとしては、他に免責金額というものがあるんだ。
免責金額というのは、交通事故を起こして自動車の修理代がかかった場合に、自己負担する金額のことだよ。
たとえば、免責金額を10万円に設定していて、交通事故の修理代が50万円かかった場合、10万円を自己負担して、残りの40万円が保険会社から支払われるわけだ。
つまり、免責金額をX円と設定した場合、保険会社はX円を超えた分しか払いませんよ、という仕組みだね。
ただ、一般的に車対車の事故でお互いに過失がある場合は、まず事故を起こした相手の対物保険金が自分の車両保険の免責部分に充当されるため、免責金額を全額支払うことは少ないかもしれない。
なので、免責金額0円で完全に保障してもらうよりも、ある程度の免責金額を設定しておいた方が、コストパフォーマンスは高いかもしれないね。
免責金額は高く設定すればするほど、保険料もずいぶん安くなってくるので、ある程度の免責金額を設定しておくと、保険料も安く抑えることが出来るよ。
そして数万円程度の修理代金であれば、保険を使わずに自腹で払った方が、逆に安く済む場合もあるんだ。
それはどうしてかと言うと・・・
車両保険の車両料率クラスとは?
たとえば、軽自動車と高級車だったら、事故になった場合は高級車の方が部品代や修理代など色々と高くつくから、その分保険料も高く設定されているんだ。
この修理代が高くなりそうな高級な車と、そうでない車はどうやって分類しているんだろうね?
これは過去にどんな車種が、どの程度の頻度・規模で交通事故を起こし、その際に保険会社がどの程度の保険金を支払ったのかなどを考慮し、車種を9クラスに分類した車両料率クラスというものを元に判断しているんだ。
この車両料率クラスは1年ごとに見直されることになっているよ。
つまり、簡単に言うと交通事故を起こしやすい車(スポーツカー等)や、修理費が高くつくような車(高級外車等)は高い保険料を支払う必要があって、事故を起こしにくい車や修理費が安く済む車(軽自動車はファミリーセダン)は安い保険料で済むと言うわけだね。
車両保険の料率クラスの一例を挙げると、たとえば下記のような具合だよ。
車両クラス | 車種一例 | 車両料率 |
1 | スズキ・ジムニー1300 | 1.0倍 |
2 | トヨタ・ヴィッツ1300/日産・セレナ2000 | 1.2倍 |
3 | マツダ・デミオ1300/トヨタ・WillVi 1300 | 1.4倍 |
4 | 三菱・アウトレック20V/トヨタカルディナ2000 | 1.7倍 |
5 | ホンダ・オデッセイ3000/BMW318ti | 2.0倍 |
6 | トヨタ・MR-S/ | 2.5倍 |
7 | ポルシェ・ボクスター/トヨタ・ソアラ430SCV | 3.0倍 |
8 | 三菱ランサー・エボリューションGSR | 3.6倍 |
9 | マツダRX-7/ホンダNSX/フェラーリF355 | 4.1倍 |
車両クラスによってここまで保険料に差が出てくると、車を購入する前に自分の車がどの車両クラスに当てはまるのか、保険会社でよく確認しておいた方が良さそうだね。
そうでないと、いざ車両保険に加入しようとした時に、保険料の高さに仰天してしまうかもしれないよ!
車両保険の保険金額
この車両保険の保険金額(保険会社が保障する金額)は、対人賠償保険や対物賠償保険のように、自分で保険金額を設定することは出来ないんだ。
その分、上記のように補償範囲や保険内容を自分で選ぶことが出来るようになっているよ。
だから自分が希望しても、たとえば200万円の値打ちしかない車に500万円の保険を掛けたりは出来ないんだ。
200万円の価値の車が盗まれたから、保険金500万円を支払ってくれ!といってもそう言うことは無理というわけだね。
では、車の価値(車両保険の保険金額)はどうやって決まるかというと、契約する車両の年式や種類による「時価(車両価格)」によって、保険会社が設定するんだ。
たとえば、300万円で購入した新車も、2年3年と時間が経つにつれて車の価値も下がっていくよね。
そうすると、新車時に300万円の価値があると判断されれば、300万円までの保険金が支払われるけど、3年後に車の価値が下がって200万円の価値しかないと判断されれば、保険金は200万円までしか支払われないんだ。
車の価値によって、支払われる保険金額も、支払う保険料も変わってくるというわけだね。
それじゃあ、時価(車両価格)が同じであれば、どんな車でも支払う保険料は同じ額で済むかというとそうでもなく、車種によっても支払う保険料に大きな差が出てしまうんだ。
車両保険の補償範囲一覧表
車両保険の補償範囲それぞれを、一覧表にまとめると下記のようになるよ。
他車との衝突 | 盗難・落書き | 火災・水害等、自然災害 | 自損事故 | 当て逃げ | |
一般車両保険 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
エコノミー+限定A | ○ | ○ | ○ | ||
エコノミー | ○ | ||||
限定A | ○ | ○ |
エコノミー+限定A
エコノミー+限定Aは、上記のエコノミーと限定Aを組み合わせた保険だよ。
エコノミーの車対車の事故による損害と、限定Aの盗難・落書きなどの、災害による補償を組み合わせた保険ということだね。
エコノミー+限定Aでは、車両事故の場合と災害による損害の場合に保険金が支払われ、自損事故や当て逃げによる損害は保障されないわけだ。
エコノミー+限定Aは、自損事故や当て逃げによる損害が保障されない代わりに、一般車両保険に比べれば支払う保険料も安く済むようになってるよ。
保険会社によっては、「エコノミー」、「限定A」を単独で付帯するのではなくて、「エコノミー+限定A」のセットのみ付帯している場合があるから、この辺は保険会社のプランをよく見ておくといいよ。
限定A
限定Aは、正式名称を「車両危険限定担保特約」といい、盗難や落書き、物の飛来や落下、浸水や火災など、交通事故以外の「災害」による損害を補償してくれる保険なんだ。
走行中に跳ね上げられた小石等によって受けた損害なども補償されるけど、自分の運転ミスによる損害や、他車との事故なんかは補償の対象外になるよ。
限定Aは、補償範囲をアクシデントや災害だけに限定して、その分保険料を安くしているんだ。
「限定A」の「A」とは「Accident(アクシデント、災難)」のことを意味してるよ。
エコノミー
エコノミーは、「車対車」の事故による損害だけを限定的に補償する代わりに、支払う保険料を安くした車両保険だよ。
エコノミーというのは節約という意味で、一般車両保険の節約版といった感じになるかな。
エコノミーは、他の自動車(二輪・原付も含む)との事故による損害だけしか補償されず、当て逃げや盗難、自損事故といった損害は補償されない。
エコノミーは確かに保険料は安いかもしれないけど、人気車種や高級車に乗っていたりする場合は、盗難やいたずらにあったりしても補償されないので、注意が必要かもしれないね。
一般車両保険
一般車両保険は、契約車両が車や物との衝突・接触、物の落下・飛来、盗難、いたずら、浸水、火災などによる損害など、車と関係する大部分の損害状況を補償してくれる保険なんだ。
自分のミスで車庫入れに失敗して、車を傷つけたといった自損事故や、当て逃げされた場合も保証してくれる、万能タイプの車両保険といえるね。
幅広く広範囲に補償してくれる代わりに、支払う保険料も4タイプの中で最も高いのが難点かもしれないね。
車両保険の種類
この車両保険には、補償の範囲が異なる下記の4つのタイプがあるんだ。
- 一般車両保険
- エコノミー
- 限定A
- エコノミー+限定A
それぞれ、補償できる範囲が異なり、支払う保険金も変わってくるから、自分に必要なタイプを選ぶと良いよ。
では、次にこの4つのタイプの内容を詳しく見ていこう!
車両保険とはどんな保険?
車両保険というのは、一言で言えば、自分自身の車に対する保険だよ。
賠償責任保険(対人賠償・対物賠償)が相手に対する保険、傷害保険(搭乗者障害、人身障害補償、自損事故、無保険者障害)が自分や同乗者のケガに対する保険だったのに対して、この車両保険は自分の車に対する保険というわけだね。
事故によって契約している車が損害を受けた場合に、修理代などが支払われるんだ。
たとえば、下記のような状況などの場合に保険金が支払われるよ。
- 交通事故で当て逃げされた。
- 車庫入れでミスって車をキズつけてしまった。
- よそ見していたら壁に突っ込んで車を大破させてしまった。
- 駐車中にいたずらで車にキズをつけられた。
- 車を盗まれた。